Netdayクラブ −情報ー

3.PCデイ

(1)PCデイの概要

 PCデイは、ネットデイに必要とされる設備を地元企業のドネーション(寄付)で賄ったり、先進的な情報教育、教育プログラムの実績的推進などのノウハウを共有化するプログラムで、具体的な地域貢献のみならず、参加者全員のネットワーク技術の習得にもおおいに役立っている。

今回の実験では、ネットデイ実施にあたり、ネットワーク技術的ノウハウやコンピューターに関する知識を習得することに重点をおいて、下記のふたつのセミナーを実施した。

・DOS/V組み立て講座

 DOS/V組み立て講座は、部品からの組み立てを実際に確認しながらテキストとなるコンテンツを製作し、セミナーの指導手順を確認する「事前勉強会」(姫路工業大学環境人間学部山本豊研究室/6月2日)と、DOS/V機を組み立て、OSとしてWindows98をインストールして動作確認することで、コンピューターの基礎を学習する「DOS/V組み立て講座」(学校法人みかしほ学園/6月5日)のふたつのセミナーを実施した。

・ネットワーク構築講座

 ネットワーク構築講座は、初級編として、ネットワークの基礎を学ぶために、TCP/IPネットワークの概念から、ネットワークケーブルの製作、コンピューターの設定、ネットワークの設計までを、学校法人みかしほ学園において学習した。初級編は参加希望者が多く、40名定員のクラスを2回、計80名定員で、9月11日、9月25日に開催した。

実際にネットワークデザインなどを学習する中級編については、ネットデイ実施校で開催した「下見ワークショップ」をこれにあてた。

(2)PCデイ実施状況

・DOS/V組み立て講座

 DOS/V組み立て講座事前勉強会

 実施日時:        1999年6月2日 18:30〜21:00

 実施場所:        姫路工業大学環境人間学部山本豊研究室

 実施内容:        DOS/Vパソコンのパーツからの組み立てと動作確認

 参加者 :        8名

 関連URL:    http://lxp1.memenet.or.jp/19990602/index19990602.htm

 概要:

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写真3-1 DOS/Vパソコンのパーツ

3台分のパーツを用意し、2組に分かれてパソコンを組み立てる。

それぞれが手順を確認しながら、初めての人でも間違いなく組みあがる方法を考えたり、注意事項をチェックしながら、丁寧に組み立てていく。

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写真3-2 マザーボード

それぞれ重要な手順は、デジタルカメラで画像に残し、のちにテキストとして利用できるようにした。

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写真3-3 DOS/V機完成

完成したDOS/Vパソコンは、BIOSの設定を確認して完成。実際の組み立て講座では、この状態からOSのインストールと設定を行う。

作成した組み立て用テキストを、資料3-1として添付する。

DOS/V組み立て講座

 実施日時:        1999年6月5日 9:00〜16:00

 実施場所:        学校法人みかしほ学園

 実施内容:        午前 旧型パソコンの整備と撤去

         午後 DOS/Vパソコンのパーツからの組み立て

   Windows98のインストールと環境設定

 参加者 :        34名

 関連URL:    http://www.ssj.gr.jp/ hssp/pcday/dosv/index.html

 概要:

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写真3-4 PC-9801の解体

最初に設置されているPC-9801を分解し、

不良部品を除いて正常に動作するマシンのペアを作る。

おおむね1台に2名、初心者と経験者がペアを組む。

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写真3-5 チェックシート

パソコンの動作チェックを行い、ディスプレイと一緒に梱包する。24台の本体から16台の完動品が完成。鳥取県羽合町教育委員会と金沢社会福祉協議会にそれぞれ8台ずつを寄贈。第二の人生を送ることになる。

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写真3-6 TV取材

珍しいセミナーの方法(旧パソコン撤去、寄贈、新パソコンの組み立て、設置、環境設定までをボランティアが行う)に、大阪からTVクルーが取材。

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写真3-7 組み立て風景

女性や高齢者の受講生が目立つ。部品や道具を持つ手もこわごわですが、真剣そのものです。

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写真3-8 組み立ての模様

約2時間でそれぞれのパソコンが組みあがった。初めての人がほとんどだった割には、スムーズに進行した。

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写真3-9 Windows98のインストール

 このセミナーは、専門学校がコンピューター教室の機材入れ替えに際して、そのまま廃棄するのはもったいないという相談から始まった。まず、PC-9801を必要としている方がいないか、教育関係と福祉関係のメーリングリストに流したところ、その日のうちに鳥取県羽合町教育委員会が幼児学習用のパソコンとして、また金沢社会福祉協議会が盲人のための点字パソコンとして利用したいとの申し込みがあった。

 セミナー受講者の募集は、地元のメーリングリストを使って行ったが、ボランティアをしながら勉強ができると、参加者には好評だった。組み上げたパソコンは、専門学校で毎日授業に使用されている。


・ネットワーク構築講座

初級編1

 実施日時:        1999年9月11日 10:00〜15:30

 実施場所:        学校法人みかしほ学園

 実施内容:        Windows98インストールからネットワークの構築まで

 参加者 :        48名

 関連URL:    http://www.ssj.gr.jp/hssp/pcday/02/center.html

初級編2

 実施日時:        1999年9月25日 10:00〜16:00

 実施場所:        学校法人みかしほ学園

 実施内容:        Windows98インストールからネットワークの構築まで

 参加者 :        52名

 関連URL:    http://www.ssj.gr.jp/ hssp/pcday/01/index.html

 概要:カリキュラム

10:00 開講、ご挨拶

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写真3-10 概要の説明

10:10 自己紹介と座席決め

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写真3-11 ペアリング

10:25 セッション1 −パソコンのハードウェアの概要−

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写真3-12 ハードディスクとリムーバブルケース

10:40 セッション2 −Windows98のインストールとOSの概要−

11:30 セッション3 −Windows98の基本操作と設定−

12:00 昼食休憩

13:00 セッション4 −LANケーブルの制作1−

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写真3-13 リバースケーブルの制作

13:30 セッション5 −ピアtoピアによるコンピュータの接続−

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写真3-14 出来上がったケーブルを子どもがチェック

14:00 セッション6 −より大規模なネットワーク−

14:20 セッション7 −LANケーブルの制作2とケーブリング−

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写真3-15 どうにか合格、設定も完了しほっと一息!

14:40 セッション8 −プリンタの共有−

14:50 セッション9 −ネットデイ−新しい市民運動が目指すもの−

15:10 セッション10 −ネットデイ・リレーinはりま'99−

15:20 おかたずけ

15:30 閉鎖

 このネットワーク構築講座は、ネットデイに参加するボランティアを優先して受講を受けたけたが、両講座とも大幅に定員を越える盛況だった。申し込み状況からみると、学校関係者が約3割強を占めて、関心の高さがうかがえる。

この講座に参加したほとんどの受講者が、のちほどいずれかのネットデイに参加している。講座後の連絡調整に設置した講座受講者メーリングリスト’KOUZA- ML’が、ネットデイや下見ワークショップの告知に大変役立った。

1回目、2回目それぞれの受講者の、その後のネットデイへの参加状況は下記のとおりである。

表3-1 受講生の動向

 

受講者

下見ワークショップ

ネットデイ

9/11

48名

32名

66.7%

33名

68.8%

9/25

52名

39名

75.0%

46名

88.5%

1回目の受講生のポイントがやや低いのは、やや学校関係者の比率が低いことに原因があると思われる。2回目の方が直接ネットデイに関係ある方が多かった。

ネットワーク構築講座で使用した、Windows98のインストールと、ディスプレイドライバー、LANカードのインストール、ネットワークの設定についてのテキストを作成した。

メインテキストには、「学校へLAN入しよう!(NGS)」を使用した。