Netdayクラブ −情報ー

9.ネットデイ活動推進の提言

(1)ネットデイコーディネーターの養成

 総合コーディネーター、地域コーディネーター、学校コーディネーターというネットデイの要を担う仕掛け人の養成が、ネットデイ活動推進のためには不可欠と思われる。ネットデイの場合、もっとも良くわかる方法は、参加してみること、百聞は一見にしかずだ。

二泊三日コースで、1日目と2日目午前は座学でネットデイの概論を学習して理論武装し、2日目午後は下見ワークショップへ参加、3日目はネットデイに参加して、それぞれの目指すコーディネーターの姿を追う。1日目、2日目の夜は、それぞれの地域での問題点を情報交換し、解決の方法を探るディスカッションを実施する。

このような教育システムがあれば、ネットデイも短期間に全国に広がる可能性は高い。ネットデイコーディネーターは、ネッドテイの現場で育てなければなりません。

(2)ネットデイ・スターターキットの製作

「参加校事後聞き取り調査の分析」で、殊に学校側から「ネットデイを説明するのが難しい」という意見があった。なにか誰でも理解しやすいツールが必要である。まずはどのようなものか理解してもらうために、もっとも効果があるのは「映像」メディア。

ネットデイを記録したビデオや画像をソースとして、「見ればわかる、ネットデイ!」というようなコンテンツを製作し、CD−ROMに収録して提供してはどうだろう。このCD−ROMには、ネットデイ開催までの学校、PTA、ボランティアの資料、ネットデイを開催するまでの仕組みの解説、ネットデイにおけるコンテンツ制作の補助となるフリーコンテンツ集など、工事とは別に参考になるものをまとめてみる。

ネットデイのために、良い戦力になると思われる。

(3)ネットデイ支援組織の確立

 全国には、いくつかのネットデイの支援を行っているグループがある。あぶくま地域展開ネットワーク研究会、群馬ネットワークつなぎ隊、柏ネットワークユニオン、和歌山ネットデイ2000などである。群馬で開催されたネットデイサミットで、一時はこれらの連携が図られるかと期待されたが、半年を経過した段階で何らの動きもない。ある意味で、地域ボランティアの限界を感じずにはいられない。運営基盤のしっかりした、スマートスクール支援のためのNPOは、これらグループのゆるやかな連携のベースとしてだけではなく、現状のグループでは対応できない地域のネットデイ活動を支援する組織として、その存在意義は大きい。はりま地域でネットデイが定着しようという動きが見えた今、ネットデイではなくスマートスクールを、実績をベースに拡大していく必要がある。

(4)ネットデイの社会的認知

 ネットデイはまだ、ごく一部のボランティアが散発的に行っている地方イベントにすぎない。中央の政界でネットデイについて理解している人の数は、そう多くはないだろう。しかし、ネットデイは間違いなく学校現場だけではなく、地域住民の意識改革を実現している。協働作業や連携の喜びを感じたことは、資料4-6からも明らかだ。すでにこれを行動に表したのが、the Internet school であり、わんぱくちびっこ情報団2000である。兵庫県は、このスマートスクールの効果に注目し、本年は兵庫ニューメディア推進協議会で本実験や、明石市立衣川中学校におけるネットデイを支援した。また1月30日には、スマートスクールシンポジウムを開催し、その効果についての分析を行った。

このように行政がネットデイを認知する動きが広がれば、各地でネットデイ実施の声があがってくることになるだろう。それまではまず、スマートスクールを標準化して、行政に導入しやすい環境を提供する必要がある。